ヌックマム

ベトナム料理に欠かせない調味料である「ヌックマム」を知っていますか?
いわゆる魚醤(ぎょしょう)ですが、この魚醤は世界各国にあり、その国や地方ならではの味があります。
日本で、能登半島でいしる(いしり)とか秋田ではしょっつるが有名です。また、タイでは、ナムプラーといい有名です。

基本的には、魚を塩に漬け込み、発酵させた調味料です。熟成した魚醤は、特有の香り・・・臭気(?)を放ち、それゆえに人により好みもあるでしょうが、病み付きになってしまうという人も多いです。濃厚なうまみを持ち、料理に塩味とうまみを加えます。魚のアミノ酸やビタミンやミネラルを豊富に含んだ健康食です。

アジアではベトナムのほかに、特にタイや中国、そして日本でも独自の魚醤が作られています。日本では、郷土料理で特におなじみです。秋田のしょっつるや能登半島のいしるは日本食でもありますので、是非一度は味わっておきたいですね。

ベトナムの魚醤「ヌックマム」は、日本のしょっつるよりタイのナンプラーなどと似ています。魚を大量の塩とともに漬け込み、数ヶ月以上発酵させます。熟成が進むと、魚は原形をとどめないほどに崩れ、液化します。この液化したものを漉して用いるのです。
この熟成の度合いや、そこに風味付けの香草などを入れることで地方色が出てくるのです。

ベトナムの「ヌックマム」は、アンチョビといって、カタクチイワシの小魚、またはその塩蔵品を用いて作ります。アンチョビは、塩蔵品は3枚におろしたカタクチイワシの小魚の内臓を取り除き、それを塩漬けにして冷暗所で熟成、発酵させて作ります。イタリアやスペインではこれにオリーブオイルを加え、缶詰や瓶詰めにされます。

「ヌックマム」は、木製の樽に魚と塩を「10:4」の割合で入れ、蓋をしたあと、4ヶ月~1年ほど熟成して作られます。タイのナンプラーよりも発酵度が低く、魚の香りが強いものが多いのが特徴のようです。塩味は比較的薄いです。

「ヌックマム」はベトナムの食卓には欠かせない調味料で、フォーなどには必ずといっていいほど添えられます。

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