ベトナム風サンドイッチ「バインミー」
かつてベトナムはフランスの植民地統治下にありました。
その頃の影響もあり、今もさまざまなフランス文化が息づいています。食生活もその例外ではありません。
たとえば、ベトナムの朝の光景を覗いてまてください。都会はもちろん片田舎でも、朝には、バインミーといって、フランスパンのサンドイッチと、ベトナムコーヒーを定番として食している家庭があります。
バインミーというのは、ベトナム語でパン全般を指します。とはいっても、大体はフランス風のパンを意味することが多いです。しかしベトナムはあくまで米文化の国です。主食はやっぱり「白いご飯」という家庭も多くあり、日本と同じです。その影響もあるのでしょう、ベトナムでは麺でも米粉で作ったりします。しかし、パンすらも同様で、ベトナムのフランスパンには米粉が入っているのです。そのためフランスパンなのですが、少しやわらかめのパンとなっています。
さらにバインミーというとき、一般にはそのサンドイッチをイメージすることが多いでしょう。長さ20センチほどのバゲットに縦に切り目を入れ、バターやレバーペーストなどを塗ります。それに甘酢づけの野菜、コリアンダー、ハム、輪切りの唐辛子をいれ、さらに魚醤(ぎょしょう)のヌックマムを振り掛けます。そのせいか見かけはフランスパンのサンドイッチですが、中身はいかにもベトナム風になっています。ベトナムの屋台や食堂で人気のファーストフードです。
共働きが多いベトナムでは、朝、主婦は大忙しです。ベトナムでは通勤、通学途中の人が屋台でさっと朝食を食べ、それぞれの一日をスタートさせます。フォー(麺)と同様、バインミーは、ベトナムの忙しい朝の活力源なのです。