ベトナムコーヒー

ベトナムコーヒーは、ベトナムにおけるフランス統治下時代の名残ではあるものの、現在ではベトナムの食生活にすっかり定着した飲み物です。

アルミニウム、あるいはステンレスの穴あきの容器を使っていれるのが特徴的です。日本でお馴染みの紙フィルターとは大きく異なり、お湯がなかなかフィルターを通過しません。そのため、抽出には結構時間がかかります。また加えるお湯の量も少なめです。そのため、出来上がったコーヒーはなかなか濃厚です。そのためもあるのでしょうか、ベトナムではミルクコーヒーにして飲む人もよくみられます。

ただし、このミルクコーヒーですが、牛乳ではなくコンデンスミルクを使っています。コンデンスミルクというのは、皆さんもよくご存知かと思いますが、イチゴにかけて食べたりもしますが、いわゆる加糖練乳です。しかもベトナムコーヒーでは、まず先にカップの底にコンデンスミルクを入れておき、その上からコーヒーを注ぐのです。この注ぎいれた上体で供され、飲む側はそれをスプーンでかき混ぜながら好みの甘さにしていくのです。当然といえば当然ですが、飲み進んで下に行くにつれ濃厚な甘さになることは容易に想像がつきます。

カフェなどでベトナムコーヒーを注文すると、たいていハスの葉のお茶やジャスミン茶がポットでついてきます。これで喉をさっぱりさせるということでしょう。

この濃厚なベトナムコーヒーに合わせて是非、朝食にお勧めなのが、「バインミー」です。ベトナム風サンドウィッチなのですが、屋台の朝食でお馴染みです。バゲットに切り込みをいれ、マーガリンとレバーペーストとを塗ります。そこにサラミやハム類、野菜などをはさみます・・・とここまでは、いかにもフランス風なのですが、最後にベトナム食文化の象徴である魚醤「ヌックマム」を振り掛けるところがやはりベトナムならではですかね。