ベトナム歴史博物館
ベトナムを訪れたら、是非、訪れてみて欲しい美術館や博物館が幾つかあります。そのひとつが、ベトナム歴史博物館です。
ベトナム八月革命後、1958年に元あった博物館を再開する形で開かれたのがベトナム歴史博物館です。
ハノイの中心に位置するホアンキエム湖からチャンティエン通りを東へ進み、紅河の土手の近くまで行くと、右手に見えます。独特の西洋建築で、フランス植民地時代に作られたルイ・フィーノ博物館がその全身となっています。
このベトナム歴史博物館は、年代順に石器時代から1945年ベトナム八月革命までの各時代の歴史遺物が陳列されています。
このベトナム歴史博物館の目玉はなんといっても「ドンソン銅鼓」です。紀元前1千年期にベトナム北部・北中部を中心に発達したドンソン青銅器文化の遺物です。青銅器製のドラム、ドンソン胴鼓は、ドンソン文化を代表する品といっていいでしょう。
ドンソン銅鼓は、F・ヘーゲルの分類によれば、最も古いⅠ型に属します。
その特徴は、膨らんだ頭部と細身の銅部分、そしてすそ広がりの脚部の3つの明確に分かれているところです。また表面の装飾文様は豊富で綿密なことも着目して見て頂きたい部分です。
ドンソン銅鼓以外にもヘーゲルⅠ型に属す銅鼓が3つ展示されています。ホアンハ、ゴックルー、ミエウモン出土の銅鼓です。
これら初期の銅鼓の他にも比較的年代が新しいものも出土、展示されています。古い銅鼓にはなかったカエルの像が表面に施され、装飾の変遷を窺うと面白いと思います。
もちろん銅鼓以外にも、李朝の仏教美術など石の彫刻も展示されています。さらに二階中央部の黎朝のコーナーでは、17世紀の木彫仏である千面千手観音を見ることができます。
是非ともベトナム歴史博物館に訪れ、ベトナムの歴史をたどってみてください。