ベトナム美術館

ベトナムを観光するなら是非訪れたい美術館が、ベトナム歴史博物館とベトナム美術館です。
フランス植民地時代のファミーユ・ド・ジャンヌ・ダールという教会の寄宿舎を前身とした建物で、1971年に美術館として開館されました。バルコニーのついた3階建てのフランス建築です。

ベトナム美術館は、チャンティン通りを西に向かい、グエンホック通りにあります。ここグエンホック通りは古来からの文化の中心地で、李朝時代の文廟が今もその姿を残しており、ベトナム歴史博物館は、この文廟の正面にあります。

見学は、1階からではなく3階からスタートします。ベトナムの諸民族の美術、封建王朝時代の美術⇒民間美術⇒手工業美術⇒近現代美術が順に展示されています。

この美術館の目玉は、黎朝期の16世紀~18世紀の展示物です。
木製の彫刻がメインとなっています。ハノイのタイフォン寺の十八羅漢の複製、ヴィンフー省のハー寺の観音像です。またこの部屋には、ディンと呼ばれる村の社の彫刻装飾も注目度の高い展示物です。ベトナムが分裂状態に陥ったこの時代に、自立性を高めた村に独自の木彫り文化が発達したのです。民衆的性格を帯びた彫刻は、人間生活の遊びをユーモラスに表現しているといわれます。難しい説明は抜きにして見てもらい、庶民の力強い生命力をこれらの展示物から感じ取ってみると、ベトナムの戦火にみちた激動の歴史を生き抜き、今まさにエネルギッシュに発展するベトナムの底力から垣間見ることができる気がします。

ハノイを訪れたら、ベトナム歴史博物館とベトナム美術館に是非、訪れて欲しいものです。そのフランス建築のなかに納められたベトナムの歴史は実に興味深いと思いますよ。

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