モン族

ベトナムの北部、中国との国境に近いバック・ハーには、少数民族のモン族が暮らしています。ミャオ族とも呼ばれていますが、ミャオというのは、中国の漢民族がつけた名称であり、ミャオ族の方たちのなかには「ミャオ」という呼称を嫌う方もいるようです。中国をはじめとして、タイ、ミャンマー、ラオス、そしてベトナムと、歴史上移住を繰り返してきた流浪の民です。

モン族はミャオ語を話し、その独特の華やかな衣装は日本でも人気なので知っている人も多いのではないでしょうか。
ベトナムに住むモン族は、中国における同化政策に抵抗し、19世紀に東南アジアのタイ、ラオス、ビルマ、ベトナムに移住していった人たちです。彼らの歴史は、まさに流浪の歴史といえます。
ベトナムがベトナム戦争の時期、ラオス建国当時にアメリカ政府はインドシナの共産化を防ぐためにモン族を雇い、戦略に使いました。結果的には、モン族は敗北しタイへと大量に流れていきました。難民キャンプを経て、その後、2004年からアメリカ政府がモン族をミネソタ州に受け入れると発表し、30万人のモン族がアメリカへ移住したといいます。

現在中国のモン族の人口は増えつつあり、全体の人口の約半数は、貴州省に集中しています。
タイ、ラオス、ミャンマー、ベトナムには200万人のモン族が住んでいます。

彼らはベトナムの多くの民族と同様に米食文化です。ご飯を主食として、副食(おかず)をあわせます。漢族と似た料理もありますし、そばを作る食習慣もあります。唐辛子を醤油の味付けで食べます。彼らの習慣には漢族の影響が強く、春節の祝いやハレの料理を用意したりします。中国国内には、モン族の料理を出す専門店もあります。

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