メコンのデルタ地帯

ベトナムのボート
メコン・デルタは、ベトナムの南部に位置し、ベトナムを構成する地方のひとつです。メコン川下流の三角州のことを指します。

三角州というのは、河口付近に見られる地形で、枝分かれした2本(またはそれ以上)の河川と海に囲まれた三角形に似た形をしています。世界の有名な三角州は、アマゾンデルタ、ドナウデルタ、ナイルデルタ、黄河デルタなどです。日本では、太田川とその支流からなる三角州が発達しています。現在の広島市は、三角州の中心が発達した都市です。また、萩市も広島市と同様で、阿武川とその支流からなる三角州を中心に発達しました。

デルタ地帯(三角州)は、河川の上流から流れてきた砂が堆積して形成されます。河川からの十分な量の土砂があること、河口付近の海底が土砂を蓄積できる形態であること、さらに河口付近の潮流が土砂を侵食し過ぎないこと、といった様々な好条件が揃って形成されます。上流から寄せられる肥沃な土砂が、農業に適しています。アジアでは三角州は、よく水田などに使用されています。

メコン・デルタも、肥沃な農地に恵まれ、稲作を中心として農業が盛んに行われています。しかしここでは、ベトナム戦争当時、メコン支流に拠点を置いたベトコン(南ベトナム解放民族戦線)とアメリカ海軍との戦闘が行われました。

メコン・デルタには、中央管轄市のカントーと以下の12の省が属しています。メコン川とその支流を中心として広がり、面積はおよそ3万9000平方キロメートルにおよびます。

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