ベトナムを通るメコン川


メコン河は、チベット高原に源流を発し、中国雲南省、ミャンマー、タイ、ラオス、そしてカンボジアを通じてベトナムに抜ける大河です。

このように河川が複数の国家の領土にわたって流れる場合には、その河川を国際河川といいます
メコン河のほかにもヨーロッパ中部から黒海にかけて、ドイツ、オーストリア、スロバキア、クロアチア、ハンガリー、セルビア・モンテネグロ、ルーマニア、モルドバ、ブルガリア、ウクライナと、合計10カ国にもまたがる河川、ドナウ川もその典型的な例です。
他にもナイル川、ライン川などの河川が有名です。

メコン河のメコンとは、タイ語で「メー」(メーナーム=川)、「コン」(=ワニ)を意味しています。
雨期には水量が増して船の運航が難しくなり、乾期には逆に水量が減りすぎ浅瀬が増えるため、これまた船舶の運航は困難になります。メコン川のような大きな国際河川では、沿岸の国が条約を締結し、どこの国の船舶でも自由に運航できることになっています。
ベトナムに流れるメコン川の場合も、流域諸国が集まって協議した結果、メコン川の土砂を除去して貿易路を開く案が出されましたが、結局その計画は頓挫しました。費用や時間をかけて土砂を除去しても、またすぐに土砂が堆積してしまうからです。また、以前はメコン川の氾濫が肥沃な土壌をもたらしたものでしたが、近年では年に何度も河川の氾濫が起き、周辺の農業に被害が生じています。
現在、メコン川の本流および支流域のタイ、ベトナムなどでは、日用品などの小規模な取引に限って行われています。

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